「建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌」
2024年8月9日(金)~10月27日(日) |
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建築家・堀口捨己(ほりぐち すてみ 1895-1984)は、国内最初の本格的近代建築運動とされる分離派建築会結成(1920年)に際して中心的役割を果たし、1930 年代には日本を代表する国際様式建築を実現しました。西欧の近代建築の動向をいち早く理解するとともに、国内の茶室や数寄屋建築に関する卓越した研究業績を残し、第二次世界大戦後には、現代数寄屋建築を実践して大きな影響を残しました。堀口は、1920 年頃から 1970 年代の日本建築界を代表する建築家であり、近代建築と日本の伝統建築双方に対して深い洞察を巡らせた稀有な建築家ということができるでしょう。茶の湯、和歌にも通じ、建築や庭園のデザインのみならず、広いジャンルで創造力を発揮しました。そこに、堀口の稀有な探求心と創造力の結実を見ることができます。
本展覧会は、堀口の学生時代から晩年に至るまでの代表作品のオリジナル図面に加えて、1920 年代欧州視察時の写真、分離派建築会展資料、茶室や庭園の実測研究資料、原寸茶室模型等の展示を通じて、建築家・堀口捨己の建築、思想、創造世界を総合的に紹介します。
主 催:文化庁
企 画:文化庁国立近現代建築資料館
協 力:公益財団法人 東京都公園協会
一般社団法人 日本建築学会 関東支部
公益財団法人 窓研究所
ヘットシップミュージアム(アムステルダム)
会 場:文化庁国立近現代建築資料館
(〒113-8553 東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
会 期:2024年8月9日(金)~10月27日(日)
休館日:毎週月曜日 但し、祝日の月曜は開館し翌日休館。
(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日開館、8月13日、9月17日、9月24日、10月15日休館)
※会期中、一部展示入れ替えがあります。
時 間:10:00-16:30
入館方法:
・展覧会のみ観覧の場合(平日のみ)
湯島地方合同庁舎正門より入館。無料。都立旧岩崎邸庭園には入場できません。
・都立旧岩崎邸庭園と同時観覧の場合(土日祝及び平日)
都立旧岩崎邸庭園より入館。都立旧岩崎邸庭園入園料有料(一般400円)
※お願い
当館に駐車場はございません。車いす等ご利用の方は事前にご遠慮なくご連絡ください。
また、当館は旧来の基準で建てられた建物を改修して利用しているため、バリアフリー対応になっていないことをあらかじめご了承願います。
展示内容
1 分離派建築会と表現主義の影響 1920-1929
建築作品に、「分離派建築会」、「平和記念東京博覧会」、「小出邸」、「紫烟荘」、「双鐘居」
分離派建築会 『分離派建築会宣言と作品』 岩波書店|表紙画 堀口捨己|1920
紫烟荘 平面図及立面図|作成年未詳
2 国際様式への傾倒 1930-1939
建築作品に、「吉川邸」、「岡田邸」、「大島測候所」、「若狭邸」、「忠霊塔設計競技案」
吉川邸案 透視図|1925
若狭邸 立面図|作成年未詳
3 「日本」の探求 1936-1958
研究及び建築作品に、「茶室への関心の高まり」、「茶室の実測調査」、「八勝館八事店」
妙喜庵待庵庭園図 実測図|1936
八勝館さくらの間 立面図|1956
4 伝統と近代の境界を超えて 1954-1984
建築作品に、「サンパウロ日本館」、「万葉公園・万葉館・万葉亭」、「静岡雙葉学園」、「常滑市立陶芸研究所」、「清恵庵」
サンパウロ日本館透視図|1953
常滑市立陶芸研究所 模型写真|撮影年未詳
ギャラリートークのご案内
講師:藤岡洋保(東京工業大学名誉教授)
開催日時
(1)8月25日(日)13:00-14:00 ※先着30名、当日12:30より整理券配布
(2)8月25日(日)14:30-15:30 ※先着30名、当日14:00より整理券配布
(3)9月14日(土)13:00-14:00 ※先着30名、当日12:30より整理券配布
(4)9月14日(土)14:30-15:30 ※先着30名、当日14:00より整理券配布
(5)9月28日(土)13:00-14:00 ※先着30名、当日12:30より整理券配布
(6)9月28日(土)14:30-15:30 ※先着30名、当日14:00より整理券配布
参加方法
毎回開始30分前より当館事務所受付(1階)にて整理券を配布します。
・整理券は1人1枚となります。
・整理券の紛失は無効となります。
・電話及びメール予約は受け付けられません。
・開始までに貴重品以外の大きなお荷物はロッカーまたは受付にお預けください。
藤岡洋保(ふじおか・ひろやす)
東京工業大学名誉教授・工学博士/近代建築史研究者
木村儀一・岩橋幸治・山﨑鯛介とともに「堀口捨己建築アーカイヴズ」を組織し、資料の研究、保存、継承に貢献。2011年日本建築学会賞(論文)、2013年日本建築学会「建築と社会」賞。主な著作に『堀口捨己の世界』(鹿島出版会、2024)、『表現者・堀口捨己-総合芸術の探求-』(中央公論美術出版、2009)、『堀口捨己論集』(編著、岩波書店、2023)
ガイドツアーのご案内
本展では、当館展示担当職員によるガイドツアーを行います。
日程(8/22~10/17の毎週木曜日)
8月22日、29日、9月5日、12日、19日、26日、10月3日、10日、17日
時間:14時~
予約不要、先着15名程度。(参加者が多い場合は複数班に分かれて開催)
参加希望の方は、14時前に展示室ロビーにてお待ちください。
関連イベントのご案内
『堀口捨己と明治大学校舎建築 1955–65』展
主催:明治大学 理工学部 建築学科
共催:明建会
後援:日本建築学会関東支部
協力:堀口捨己建築アーカイブズ・文化庁国立近現代建築資料館
期日:8月27日(火)– 30日(金)9:00–17:30
会場:明治大学 駿河台キャンパス グローバルフロント1F 多目的室(東京都千代田区神田駿河台1-1)
入場料:無料
詳しくは日本建築学会大会[関東]関連行事のサイトをご覧ください。
講演会のご案内
講演 「1923年:堀口捨己とアムステルダム派の出会い」
現在展示室内で上映中の「堀口捨己とアムステルダム派」を制作したヘットシップミュージアムの創設者・名誉館長のアリス・ルーホルト氏をお迎えし、ギャラリートークを行います。
100年以上前に建築家・堀口捨己を介して行われた建築分野の日蘭交流に関して、アムステルダムにおける調査で新たに発見した事柄をお話しいただきます。
講師 アリス・ルーホルト氏(ヘットシップミュージアム創設者・名誉館長)
講演 「1923年:堀口捨己とアムステルダム派の出会い」
座席 先着30席(予約不要)
場所 国立近現代建築資料館 展示棟2階 展示室
主催 文化庁 国立近現代建築資料館
協力 日蘭建築文化協会
後援 駐日オランダ王国大使館
※スライドを用いたヴィジュアル中心の内容です。
英語での講演で、日本語同時通訳はありませんが、和文要約を配布予定です。
※予約不要です。
聴講希望の方は、旧岩崎邸庭園ではなく、湯島地方合同庁舎正門からお入りください。庭園側出入り口は、講演終了時には、閉門しております。
【登壇者ご紹介】
Alice Roegholt (アリス ルーホルト)氏
ヘットシップ美術館(オランダ-アムステルダム)の創設者・名誉館長
これまでに多くのアムステルダム派の芸術運動に関連する展覧会をキュレーションし、グローバルな流れの中でのアムステルダム派が与えた並びに受けた影響を分析している。2023年、建築家・堀口捨己のオランダ訪問から100周年を記念して、堀口捨己に関する展覧会“1923: Horiguchi meets the Amsterdam School”をヘットシップ美術館にて開催。オランダ日本大使館とも協力し、現地テレビ局もかけつけるなど大きな反響を得た。
企画運営、問い合わせ先
文化庁 国立近現代建築資料館
TEL:03-3812-3401
Email:nama@mext.go.jp
「建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌」 広報用資料
掲載ファイル
下記のプレスリリース資料はご自由にお使いください。媒体等への掲載時は、その旨nama@mext.go.jpにご一報いただくとともに当館宛てに一部ご送付願います。
○プレスリリース
画像の利用
「広報画像一覧」に掲載している画像の利用を希望される方は、下記申請書にご記入の上、メールの添付ファイルでご提出願います。申請書を確認後、担当者から直接画像を提供いたします。
申請書提出先
国立近現代建築資料館 nama@mext.go.jp
メールタイトルに [堀口展広報] とご記入ください
取材について
本展取材を希望される方は、nama@mext.go.jpにお問い合わせ願います。メールタイトルに [堀口展広報] とご記入ください。
メールご送付後、3営業日内に返信がない場合は、セキュリティ上の理由による不達の可能性がございますので、お手数ですが03-3812-3401まで、「展覧会広報の件で」とお尋ねください。
国立アイヌ民族博物館 プンカㇻ協働展示 「アイヌの建築と工芸の世界- チセ、マキリ、アットゥㇱ -」
令和6年3月1日(金)~3月24日(日) |
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国立アイヌ民族博物館 プンカㇻ協働展示 「アイヌの建築と工芸の世界- チセ、マキリ、アットゥㇱ -」は終了しました。
開催にあたって
この度、文化庁国立近現代建築資料館で、国立アイヌ民族博物館プンカラ協働展示「アイヌの建築と工芸の世界―チセ、マキリ、アットゥシ―」を開催いたします。当資料館と国立アイヌ民族博物館はともに文化庁所管の施設であることから、両館が協力し、普段は北海道白老町で公開しているアイヌ文化の展示を、東京の皆様にご覧いただくこととなりました。
アイヌ文化における建築物として、アイヌ語で「チセ」という家屋があります。明治以降に生活文化の変化によって徐々に姿を消していった伝統的な「チセ」は、さまざまな儀礼が執り行われる場であり、生活を支える道具類もこの「チセ」の中でつくりだされてきました。それらの技術は現代にも受け継がれています。この度は、伝統的な「チセ」のつくりや使われ方を中心に、アイヌの生活道具やその素材である植物のほか、現代も製作される工芸品を展示します。
展示室では、国立アイヌ民族博物館が行っている「アイヌ文化でつながる博物館等ネットワーク事業(愛称 プンカラ)」の会員機関であり、アイヌ資料を所蔵する博物館や資料館などを紹介しています。この中の多くの施設は北海道に所在しております。この機会にアイヌ文化についてのご理解を深めていただくとともに、国立アイヌ民族博物館をはじめ、プンカラ会員機関の博物館なども北海道旅行での行き先のひとつとしてご検討いただければ幸いです。
文化庁国立近現代建築資料館長
(文化庁企画調整課長)
寺本 恒昌
展示概要
プンカㇻ協働展示は、アイヌ文化でつながる博物館等ネットワーク事業(愛称 プンカㇻ)の事業として、国立アイヌ民族博物館と68の会員機関が協力し、アイヌ文化を紹介する展覧会です。
「チセ」はアイヌ語で「家屋」を指す言葉です。生活の中心となるチセは、人が生まれ、育ち、仕事をし、カムイに祈る場所です。チセの建材はもちろん、祭事具や道具の素材には植物が多く用いられています。男性はマキリ(小刀)で木を彫りだして、独自の文様を刻み、女性は樹皮からつくった糸で布を織り、刺繍を施して、アットゥㇱ(樹皮衣)をつくり上げました。このような木で作られたものを使いながら、今もカムイとともに暮らしているのです。
本展覧会では、伝統的なチセのつくりや使われ方を中心に、植物を素材としたアイヌの民具を紹介します。さらに、現代の作り手による工芸品など今に息づくアイヌ文化をご覧ください。チセを中心としたくらしから、アイヌ文化への理解を深めていただければ幸いです。
詳しくはこちらをご覧ください。
主 催:国立アイヌ民族博物館
共 催:文化庁国立近現代建築資料館、浦幌町立博物館、新ひだか町博物館、平取町立二風谷アイヌ文化博物館
後 援:北海道アイヌ協会
会 場:文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
会 期:令和6年3月1日(金)~令和6年3月24日(日)
*毎週月曜休館 ※土・日・祝は旧岩崎邸庭園のみからの入場(有料)となります
時 間:10:00‐16:30
観覧料:無料(入館方法をご確認ください)
入館方法:・展覧会のみ観覧(平日のみ利用可)
湯島地方合同庁舎正門より入館。入館料無料。都立旧岩崎邸庭園には入場できません。
・旧岩崎邸庭園と同時観覧
都立旧岩崎邸庭園より入館。旧岩崎邸庭園入園料(一般400円)が必要。
展示に関するお問い合わせ先
国立アイヌ民族博物館
〒059-0902 北海道白老郡白老町若草町2-3-1
電話番号:0144-82-3914(ウポポイ代表電話)
アクセスに関するお問い合わせ先
国立近現代建築資料館
東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内
電話番号:03-3812-3401
施設案内と当館までの道のりはこちらをご覧ください。
共催展
令和4年度展覧会 原広司 建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-
令和4年12月13日(火)~令和5年3月5日(日) |
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『令和4年度展覧会 原広司 建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-』は終了しました。
建築家・原広司は、東京大学で28年に渡り教鞭をとりながら、個人住宅から美術館や教育施設、さらに駅舎、高層建築、ドーム建築などの大規模建築に至るまで幅広く建築作品を創り出してきた。その中には、JR京都駅、大阪の新梅田シティ・スカイビル、札幌ドームなど世界的に著名なランドマーク作品も含まれる。
また原による数学、哲学、芸術をはじめとした多様な視点からの建築に関する思索は、日本の現代建築の発展を大きく牽引した。その代表である1967年の著書『建築に何が可能か』における「有孔体」と「浮遊」の思想に始まる原の思想は、その後、反射性住居、多層構造、機能から様相へ、集落の教え、離散的空間など多彩な建築概念に発展し、現代建築に計り知れない影響を与えた。加えて、他文化分野との交流にも大いに貢献し、一例をあげると、原が、友人である小説家・大江健三郎の故郷の愛媛県で設計した内子町立大瀬中学校は、大江健三郎の小説『燃えあがる緑の木』(1995年)の中に形を変えて登場する。
本展覧会では、近年、原広司+アトリエ・ファイ建築研究所から国立近現代建築資料館に寄贈が進められている建築資料群の中から、「有孔体」と「浮遊」というテーマの展開を示す図面とスケッチを、年代を追いながら展示。原広司作品の根源であるこの二つの発想が、住宅から大規模建築、都市に至るまで、いかに具現化し、発展したかという点に着目する。「思想:オブジェ、イメージ図、著作物」、「構想:スケッチ」、「実想:設計図面」という三つの「想」による展示を通し、原広司の思想と実体的建築の関係を解読するための場、独創的な建築デザインの背後にある思考や知的側面へと誘う。
主 催:文化庁
協 力:アトリエ・ファイ建築研究所、公益財団法人東京都公園協会
会 場:文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
会 期:令和4年12月13日(火)~令和5年3月5日(日)
*12月26日(月)~1月4日(水)年末年始休館、毎週月曜休館(但、1月9日は開館し、1月10日休館)
時 間:10:00‐16:30
展覧会ガイドツアーのご案内
本展では、当館展示担当スタッフによるガイドツアーを開催します。
日時 : 12月16日(金)、20日(火)、23日(金)、
1月6日(金)、13日(金)、17日(火)、20日(金)、24日(火)、27日(金)、31日(火)、
2月3日(金)、7日(火)、10日(金)、14日(火)、17日(金)、21日(火)
14時から約50分程度
集合場所 : 当館2階ロビー(展示室前)に14時集合。予約不要、先着15名程度。
展示内容
1.有孔体と浮遊の思想の誕生 1960年代
伊藤邸(1967)、慶松幼稚園(1967)
2.反射性住居と世界の集落調査 1970年代
原邸(1974)、ニラム邸(1978)、工藤山荘(1976)
3.公共建築と様相論 1980年代
田崎美術館(1986)、飯田市美術博物館(1988)、ヤマトインターナショナル(1986)、那覇市立城西小学校(1987)、内子町立大瀬中学校(1992)
4.巨大建築での有孔体と浮遊の実現 1990年代
新梅田シティ・スカイビル(1993)、JR京都駅ビル(1997)、宮城県図書館(1998)、札幌ドーム(2001)
Ⅹ.コンペティションとイマジナリー
500M×500M×500M(1992)、ピエモンテ州新庁舎設計競技(2000)、実験住宅モンテビデオ(2003)
企画運営、問合せ先
文化庁 国立近現代建築資料館
National Archives of Modern Architecture, Agency for Cultural Affairs
https://nama.bunka.go.jp
TEL 03-3812-3401 FAX 03-3812-3407
Email: nama@mext.go.jp
展覧会関連イベントのご案内
ここでは、本展と密接に関連する内容のイベント等を紹介しております。問合せや申込は、直接、イベントの主催者宛にお願いします。
1)2022年度 立命館大学特別講義 「原広司 有孔体と浮遊の思想 2022」
日時:2022年12月22日(木)18:00‐19:30
会場:ZOOMウェビナー(定員1000人) 事前申し込みが必要です。
詳細や申込方法は、こちらからご覧ください。
*関連イベント:立命館大学オンライン特別講義 「原広司 有孔体と浮遊の思想 2022」放映のお知らせ
2022年12月22日に開催された関連イベントである、立命館大学オンライン特別講義 「原広司 有孔体と浮遊の思想 2022」の動画(1時間半)を会場ロビーにて放映します。
日時:会期中平日(火~金)15:00~16:30
場所:当館2F ロビー(展示室前)