紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s – 1990s
2017.10.31[火]-2018.2.4[日] |
---|
『紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s – 1990s』展は終了しました。
建築におけるドローイングとは、一般的には「図面」のことです。その中にはスタディのためのスケッチから設計図、施工図、プレゼンテーションのために美しく着彩され陰影を施されたレンダリングなどが含まれます。しかし、ときに建築家たちは、このような設計―施工のプロセスからは相対的に自立した世界を紙の上に追求しました。 日本では特に大阪万博以後1970年代から1980年代にかけて、建築ドローイングの表現は大きな飛躍をみせます。ポスト戦後という時代に、建築家たちは実務上の要求を超えて、多くのエネルギーをドローイングに注いでいきます。画面は大きくなり、技法は多様化し、ひとつの独立した作品として鑑賞されるものとなります。建築家たちは何故それらを描いたのか。彼らが紙の上に求めたものは何だったのか。ひとつの建物が竣工するということだけでは必ずしも完成しない、建築家のヴィジョンがそこには示されています。 1990年代にCAD(computer-aided design)が普及してからは、設計図書が手で描かれることもなくなり、ドローイングによる表現は衰退していきます。ポスト戦後の建築家たちが描いたドローイングは、時代の中でどのような意義を持っていたのか、今それらは私たちに何を問いかけるのか。そのことを考えるために本展示は生まれました。
展覧会チラシ(PDF)
主 催:文化庁
協 力:公益財団法人東京都公園協会
ゲストキュレーター:
戸田穣(金沢工業大学准教授)/
朽木順綱(大阪工業大学准教授)/
日埜直彦(芝浦工業大学非常勤講師、日埜建築設計事務所)/
元岡展久(お茶の水女子大学准教授)
会場写真
入場方法
[ 展覧会のみ閲覧 ](平日のみ利用可能)湯島地方合同庁舎正門よりご入館ください。 入館無料
[ 都立旧岩崎邸庭園と同時観覧 ]都立旧岩崎邸庭園よりご入館ください。 ただし旧岩崎邸庭園の入園料(一般)400円が必要です。
アクセスシンポジウム
建築ドローイングと日本建築 1970s-1990s
日時|12.2[土] 14:00-16:00
植田実(住まいの図書館出版局編集長)×中谷礼仁(歴史工学家、早稲田大学教授)
司会|戸田穣(金沢工業大学准教授)
会場|建築家会館 大ホール
定員|120名(当日先着順・参加費無料)
※このイベントは終了しました。
ギャラリートーク
ギャラリートーク1建築ドローイングの時代
日時|11.4[土] 14:00
塚本由晴(アトリエ・ワン、東京工業大学教授)
※このイベントは終了しました。
ギャラリートーク2
Possibilities on Papers 紙の上の可能性
日時|12.17[日] 14:00-
ケン・タダシ・オオシマ(ワシントン大学教授)
※このイベントは終了しました。
ギャラリートーク3
毛綱毅曠とその時代
日時|1.20[土] 14:00-
藤塚光政(写真家)×難波和彦(当館主任建築資料調査官、東京大学名誉教授)
※このイベントは終了しました。
ギャラリートーク4
建築版画の世界
日時|1.27[土] 14:00-
綿貫不二夫(ときの忘れものディレクター)× 石田了一(石田版画工房)× 植田実(住まいの図書館出版局編集長)
司会|日埜直彦
※このイベントは終了しました。
図録
「紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s – 1990s」展 図録
目次
02 ごあいさつ
04 はじめに―神話を歴史化するために 戸田譲
08 渡邊洋治
10 70年代以降という分節とその建築家 日埜直彦
12 磯崎新
16 藤井博巳
19 相田武文
22 アーキテクチュラル・ドローイングと戦後50年 辻泰岳
23 原広司
28 山本理顕
31 鈴木了二
35 安藤忠雄
38 高松伸
42 毛綱毅曠
49 象設計集団
52 辺境の風景─失われた世界を創造するために 元岡展久
54 紙の上に刻まれた「筆蝕」─ドローイングという「もうひとつの建築」 朽木順綱
56 固有の世界、固有の視覚言語を求めて─近代建築から現代建築への転換 川向正人
58 日本の建築ドローイング年譜 辻泰岳┼戸田穣
62 プロジェクトデータ及び関連資料
※本展の図録配布は終了しました。