吉阪隆正+U研究室建築設計資料
本資料群の内容は大きく二つに分けられる。一つは、主にル・コルビュジエの事務所で描いたと思われる図面資料を含む、吉阪研究室(後のU研究室)開設以前の1954年までの資料。もう一つは、開設以後の1954年から吉阪隆正が亡くなる1980年までの資料である。これらは図面(約7000点)、スケッチ(約300点)、文書等(約300点)で構成されている。
収蔵資料検索データベース
8 – 吉阪隆正+U研究室建築設計資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/u
吉阪隆正 YOSIZAKA Takamasa
1917年東京都生まれ。幼少期から青年期を東京や海外のさまざまな地域で過ごす。1938年早稲田大学建築学科入学、今和次郎に師事。1941年早稲田大学理工学部建築学科卒業。同年、早稲田大学教務補助に着任、1942-45年応召。1950-1952年渡仏し、ル・コルビュジエのアトリエに勤務。1954年吉阪研究室(後のU研究室)を設立し設計活動を展開する。1959年に早稲田大学教授。1980年没。
ル・コルビュジエの著書翻訳を多くてがけたほか、主な単著に、『住居学概論』(1949)、『住居学』(1965)、『生活とかたち―有形学』(1980)、『吉阪隆正集』全17巻(1984-85)がある。
主要作品
- 1955 吉阪自邸
浦邸 - 1956 ヴェネチア・ビエンナーレ日本館
ヴィラ・クゥクゥ - 1957 海星学園
- 1958 日仏会館
- 1958-63 呉羽中学
- 1959 江津市庁舎 コンゴ レオポルドビル文化センター計画(国際競技設計)
- 1959-1968 涸沢ヒュッテ
- 1960-81 アテネ・フランセ
- 1963-1976 大学セミナーハウス
- 1965-67 大島町・元町復興計画
- 1970 箱根国際観光センター(競技設計)
- 1973 U研究室アトリエ
当館展示履歴
- 2015年度「ル・コルビュジエ×日本 国立西洋美術館を建てた3人の弟子を中心に」:吉阪自邸、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館
- 2015年度「みなでつくる方法――吉阪隆正+U研究室の建築」:涸沢ヒュッテを除く上記リスト作品
- 2017年度「平成29年度国立近現代建築資料館収蔵品展」:ヴェネチア・ビエンナーレ日本館
- 2018年度「建築からまちへ1945-1970 戦後の都市へのまなざし」:大島町・元町復興計画
- 2020年度「ミュージアム 始原からの軌跡 1940年代-1980年代」:ヴェネチア・ビエンナーレ日本館
- 2021年度 「〈住まい〉の構想 収蔵資料が物語る名作住宅1940-1975」:吉阪自邸
ル・コルビュジエ作 緞帳『闘牛14号』(旧東急文化会館「渋谷パンテオン」緞帳)
本資料は、東急文化会館の設計を担当した坂倉準三が、師であるル・コルビュジエに原画の制作を依頼し、「闘牛14号」と題する原画作品をもとに川島織物合資会社(現:株式会社川島織物セルコン)が製作したものである。1956年の東急文化会館開館以降、同映画館にて垂下使用されていたが、2003年の閉館に伴い取り外された。
収蔵資料検索データベース
フォンド 09 – ル・コルビュジエ作 緞帳『闘牛14号』(旧東急文化会館「渋谷パンテオン」緞帳)
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/14-3
大髙正人建築設計資料
大高建築設計事務所(1962-2010)で行われた建築・都市計画業務に関する包括的な資料であり、一般的な建築図面(約35,000枚)のほか、大高が関連したさまざまな都市計画や公共事業の報告書(約1000冊)等を数多く含んでいる。竣工図の原図のみならず、設計過程で作成される青焼き冊子や、竣工図の縮刷版、そして写真アルバム等の資料も丁寧に分類された状態で寄贈された。
収蔵資料検索データベース
フォンド 10 – 大髙正人建築設計資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/6s9e-w9g4-9xx3
大髙正人 OTAKA Masato
1923年福島県三春町生まれ。1947年東京大学第二工学部建築学科卒業後、同大学院研究生。1949年前川國男建築設計事務所入所し、10年以上に渡って同事務所の主要作品の設計に携わった。1960年世界デザイン会議にメタボリズムグループの一員として参加。1962年大高建築設計事務所設立。建築のみならず都市計画の分野でも建築界、行政、公団を牽引し、多摩ニュータウンや横浜みなとみらいなどの計画と開発に貢献した。2010年逝去。
主な受賞は、日本建築学会賞作品賞(1968,千葉県文化会館)、毎日芸術賞(1981,群馬県立歴史博物館)、1988年紫綬勲章、1993年福島県県外在住功労者賞受賞など。
主要作品
(*は前川國男事務所時代の作品)
- 1958 晴海高層アパート*
- 1960 新宿副都心計画(協働:槇文彦)
- 1961 東京文化会館*
- 1963 国立京都国際会館設計競技案
村井学園1号館 - 1964 全日本海員組合本部会館
- 1967 千葉県文化会館
- 1968 坂出市人口土地、千葉県立中央図書館
- 1969 広島市基町団地
- 1972 千葉県立美術館
- 1979 横浜市都市臨海部開発基本構想/みなとみらい21 基本計画
- 1980 洞峰公園体育館
- 1984 福島県立美術館
- 2003 三春交流館/まほらホール
当館展示履歴
- 2016年度「建築と社会を結ぶ――大髙正人の方法」:前川國男建築事務所時代の作品と洞峰公園体育館および福島県立美術館を除く、上記リストの作品
- 2017年度「平成29年度国立近現代建築資料館収蔵品展」:片岡農業協同組合(1962)、御所見農業協同組合(1964)、花泉農協会館(1965)、山内農業協同組合会館(1966)、新居浜市農業協同組合(1967)、南郷町農業競合組合会館(1968)、静岡市農業組合センター(1970)
- 2018年度「建築からまちへ1945-1970 戦後の都市へのまなざし」:千葉文化の森(1965)、宇部市常磐公園(1961)
- 2020年度「ミュージアム 始原からの軌跡 1940年代-1980年代」:千葉県立美術館、群馬県立歴史博物館(1979)
- 2021年度 「〈住まい〉の構想 収蔵資料が物語る名作住宅1940-1975」:坂出市人口土地
- 2022年度 「〈こどもの国〉のデザイン――自然・未来・メタボリズム建築 [併設]新規収蔵資料紹介」:こどもの国 修学旅行会館
渡辺仁資料
本資料群は、渡辺仁の建築活動を断片的に伝えるものだが、彼が熊本の第五高等学校第二部に入学する前後(1904年頃)から欧米視察にいく1926年頃までのスケッチ帳、東京帝国大学工科大学建築学科在学中の設計課題、大正末の洋行時に書かれた書簡、昭和初期までの建築作品に関する写真アルバム、戦後、1953年に渡辺高木建築事務所を設立し、1967年に黄綬褒章が授与されるころまでの図面、文書資料等から構成されている。
収蔵資料検索データベース
フォンド 13 – 渡辺仁資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/zgxc-rz9x-ex5x
当館展示履歴
- 2017年度「平成29年度国立近現代建築資料館収蔵品展」
こどもの国建築関連資料
本資料は、こどもの国の施設建設にあたって、こどもの国建設協力会において作成された事業記録に関する書類、工事契約書、寄付金関係書類など文書資料が中心である。また、施設の設計を担当した建築事務所が作成した青焼き図面も含まれる。
収蔵資料検索データベース
フォンド 17 – こどもの国建築関連資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/nq6t-6cfp-mseq
当館展示履歴
- 2022年度 「〈こどもの国〉のデザイン――自然・未来・メタボリズム建築 [併設]新規収蔵資料紹介」