安藤忠雄初期建築資料
事務所創設時からの手描きの設計原図 の一部(35プロジェクト)であり、図面約800点からなる。主にトレーシングペーパーに鉛筆で描かれており、建築のさまざまな内容が1枚の図面に集成された独特な表現の建築図面を含む。
収蔵資料検索データベース
フォンド 28 – 安藤忠雄初期建築資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/cegp-37rm-smsf
安藤忠雄 ANDO Tadao
1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、1969年安藤忠雄建築研究所設立。1997年東京大学教授。現在、東京大学名誉教授、国立近現代建築資料館名誉館長。イエール、コロンビア、ハーバード大学の客員教授歴任。
主な受賞に、1979年日本建築学会賞(住吉の長屋)、1985年アルヴァ・アアルト賞、93 年日本芸術院賞、1995年プリツカー賞、2003年文化功労者、2005年UIA(国際建築家連合)ゴールドメダル、10 年文化勲章、13 年フランス芸術文化勲章コマンドゥール、15 年イタリアの星勲章グランデ・ウフィチャーレ章、21 年フランス・レジオン・ドヌール勲章コマンドゥールなど。
主要作品
- 1976 住吉の長屋
- 1983 六甲の集合住宅Ⅰ
- 1984 TIME’S Ⅰ
- 1988 水の教会
- 1989 光の教会
- 1992 ベネッセハウス
- 2000 淡路夢舞台
- 2002 国際子ども図書館
フォートワース現代美術館 - 2004 地中美術館
- 2006 表参道ヒルズ(同潤会青山アパート建替計画)
- 2007 21_21 DESIGN SIGHT
- 2009 プンタ・デラ・ドガー
- 2014 上海保利大劇場
- 2020 こども本の森 中之島
- 2021 ブルス・ドゥ・コメルス/ピノー・コレクション
当館展示履歴
- 2019年度「安藤忠雄 初期建築原図展――個の自立と対話」: 1970年代、80年代に竣工した初期24作品を展示
ヴァスムート社旧蔵吉田鉄郎関連資料
本資料群は、建築家・吉田鉄郎(1894-1956)の著作『Das Japanishce Wohnhaus』(初版1935、2版1954)、『Japanische Architektur』(1952)、『Der Japanische Garten』(1957)に関する原稿やページレイアウト、写真の切り取り位置を指示したスケッチ、手紙等からなる。吉田が逝去する直前の1956年までに作成され、ドイツの出版社であるヴァスムート社に送付後、保管されていた。吉田は東京中央郵便局などの設計で知られるとともに、上記著作の3部作は長らく海外における日本建築の基礎文献として知られてきた。本資料群は吉田による日本の住宅や建築、庭園への理解を伝えるものであり、彼の設計活動との関連を考える上でも重要である。
収蔵資料検索データベース
フォンド 27 – ヴァスムート(Wasmuth)社旧蔵吉田鉄郎著作資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/wasmuth
吉田鉄郎
1894年富山県生まれ。1919年東京帝国大学建築学科卒業、逓信省経理局営繕課に入省。1944年逓信省を退職。1946年日本大学教授。京都中央郵便局や東京中央郵便局、大阪中央郵便局をはじめとする多くの逓信建築を設計した。また、別府市公会堂のような施設や住宅建築、コンペ案といった幅広い作品を残したほか、ドイツ語による書籍出版やブルーノ・タウトの著作翻訳など、その活動は多岐に渡る。
主な受賞は、1942年勲四等瑞宝章、1953年日本建築学会賞(『Das Japanische Architektur(日本の建築)』)。
当館展示履歴
- 2019年度「吉田鉄郎の近代―モダニズムと伝統の架け橋」
- 2022年度「〈こどもの国〉のデザイン――自然・未来・メタボリズム建築 [併設]新規収蔵資料紹介」
シュパイデル旧蔵ブルーノ・タウト関連資料
本資料群は、ブルーノ・タウトが高崎に在住した時の活動に関わるものである。タウトは工芸製品のスケッチを描き、水原徳言氏ら井上工芸研究所の日本人スタッフが実施制作のために図面を書き起こした。図面にはタウトのサインや印鑑があるものもある。1986年に庄子晃子氏がこれらの図面239点の写真を撮影し、リストを作成した。その後、1986~88年頃、マンフレッド・シュパイデル氏は水原氏より一部の青焼図面126枚と、前述の庄子氏作成の写真の紙焼とそのリストを譲り受けた。なお、シュパイデル氏が譲り受けた青図126枚は水原氏所有の図面の一部であり、庄子氏が作成した写真紙焼資料239枚およびそのリストは、水原氏所有図面の全貌を示している。また、タウトがこれらの家具・日用品をデザインした折の日記・備忘録のコピーおよびそれを水原徳言氏の兄・徳恒氏が日本語訳したもののコピー、シュパイデル氏作成のドイツ語目録4冊も併せて寄贈を受けている。当該資料群はブルーノ・タウトが日本滞在中に作成した家具・日用品のデザインに関する資料であり、建築から家具に至るまでトータルにデザインを考え、多くの日本人建築家に大きな影響を与えたタウトの業績を理解する上で欠かせない資料である。
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フォンド 26 – シュパイデル旧蔵ブルーノ・タウト関連資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/dc7h-6gye-mnhc
原広司+アトリエ・ファイ建築設計資料
建築設計図面(約15000枚)とスケッチ資料(約4000枚)からなる。前者は主に2000年までの作品であり、後者は2000年以降の作品も含む。代表作品は網羅されており、アトリエ・ファイ以前(RAS建築研究所)の資料も含まれている。JR京都駅ビル、新梅田シティ・スカイビル等の巨大プロジェクトには多量の図面とスケッチが残されており、設計の過程を詳細にたどることが可能である。スケッチ資料は立面全体を大きく描いたA0を超えるものも多く、独特な意匠が綿密な検討のもと生まれていることがわかる。
実現した作品の資料のほか、多種多様な挑戦的プロジェクト、たとえば「有孔体の世界」やラ・ヴィレット公園:パリ国際設計競技、さらには影のロボットといった作品の資料も多く含まれている。
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フォンド 25 – 原広司+アトリエ・ファイ建築研究所資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/g476-hwyx-ws6b
原広司 HARA Hiroshi
1936年神奈川県生まれ。1959年東京大学工学部建築学科卒業。1964年同大学大学院博士課程修了。1969年東京大学生産技術研究所助教授、1997年東京大学名誉教授。1970年アトリエ・ファイ建築研究所と協働開始、1999年より原広司+アトリエ・ファイ建築研究所に改称。
主な受賞として、1986年日本建築学会賞作品賞(田崎美術館)、1988年村野東吾賞(ヤマトインターナショナル)、1995年BCS賞(梅田スカイビル)、2003年BCS賞(札幌ドーム)、2013年日本建築学会大賞。
主要作品
- 1964 浪花芸術大学設計競技
- 1967 伊藤邸
- 1970 粟津邸
- 1973 原邸
- 1982 ラ・ヴィレット公園:パリ国際設計競技
- 1983 田崎美術館
- 1984 影のロボット
- 1985 ヤマトインターナショナル
- 1986 飯田市美術博物
- 1987 メディアパーク・ケルン 都市計画構想国際指名提案競技
- 1991 JR京都駅ビル
- 1993 宮城県図書
- 1997 札幌ドーム
- 2003 福島県立会津学鳳中学校
当館展示履歴
- 2017年度「紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s-1990s」:原邸
- 2020年度「ミュージアム 始原からの軌跡 1940年代-1980年代」:末田美術館、田崎美術館、飯田市美術博物館
- 2021年度「〈住まい〉の構想 収蔵資料が物語る名作住宅1940-1975」:原邸
- 2022年度「原広司―建築に何が可能か 有孔体と浮遊の思想の55年」:主要作品
高橋靗一・第一工房資料
(靗一の「靗」は青偏に光。以下全て同様)
第一工房において作成された建築設計図書(約40000点)、写真、スケッチ等の資料からなる。第一工房の発足当初から、事務所解散直前までの期間の資料が含まれる。代表作である大阪芸術大学のコンペおよび実施図面をはじめ、佐賀県立博物館などの60年代の作品から後期の作品までの一連の建築作品の設計図書やスケッチに加えて、写真、パンフレット、会社記録などが含まれる。
収蔵資料検索データベース
フォンド 23 – 高橋靗一・第一工房資料
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/zhpz-rwx4-fkb4
高橋靗一 TAKAHASHI Teiichi
1924年中国・青島市生まれ。1949年東京大学第二工学部建築学科卒業。卒業後は1956年まで逓信省営繕部設計課に勤務。1956年武蔵工業大学建築学科助教授。1960年第一工房を創立。1967年大阪芸術大学教授。退職後、同大学名誉教授。
主な受賞に、1971年日本建築学会作品賞(佐賀県立博物館)、1982年日本建築学会作品賞(大阪芸術大学塚本英世記念館・芸術情報センター)、1986年BCS賞(実践女子大学校舎・体育館)、1992年BCS賞(東京都立大学新キャンパス)、1997年BCS賞(全労済情報センター)、2002年BCS賞(群馬県立館林美術館)、2004年村野藤吾賞(館林市美術館)。
主要作品
- 1962 高垣邸
- 1962 佐賀県立図書館
- 1964 浪速芸術大学(現大阪芸術大学) 設計競技1等案
- 1970 佐賀県立博物館
- 1972 東京都立中央図書館
- 1981 大阪芸術大学 塚本英世記念館・芸術情報センター
- 1983 マガジンハウス
- 1985 筑波国際科学技術博覧会 迎賓館
- 1987 浦添市民体育館
- 1991 東京都立大学 図書館
- 1995 全労済情報センター
- 1997 パークドーム熊本
- 2000 SFS21 超免振建築開発計画
- 2001 群馬県立館林美術館
当館展示履歴
- 2021年度「〈住まい〉の構想 収蔵資料が物語る名作住宅1940-1975」:高垣邸